コバエとは、小さいハエの総称で、日本では300種類程度のコバエが生息しています。
そのコバエの中でも、家の中によく湧くコバエの種類についてのお話です。
コバエの種類によって、対策法は変わってくるので、まずは家の中に発生するコバエの種類をつきとめましょう。
コバエの種類の見分け方
人家の周辺なども合わせると数種類ものコバエがあげられるのですが、家の中でよく見られるコバエとしては
ショウジョウバエ
チョウバエ
クロバネキノコバエ
ノミバエ
ニセケバエ
の5種類があげられます。
コバエは種類によって、駆除方法や予防策は違ってくるので、一括りにコバエ対策すればいいというわけではありません。
まずは室内に出るコバエの種類を、チェックしてみましょう。
ショウジョウバエ
体長2~3mm程度、体色は黄褐色、目の色が赤いのが特徴。
目が赤いことやアルコール好きなことから、お酒が大好きで真っ赤な顔をした伝説の動物、猩々(しょうじょう)に由来しています。
卵期から蛹期まで10日前後と短く、成虫期間は約30日と長いです。
ショウジョウバエの怖いところは、成虫になった次の日から産卵を始めるところ。
産卵環境が良好な場合、1日に80~100個程度の卵を産むので、一匹の雌が生涯で産む卵の数は相当なものになります。
卵期間は1日と短く、10日ほどで成虫になったら、また産卵するので、どんどん大量に個体数が増えていくという・・・エンドレスな構図ができあがります。
好きなものは、腐敗物や発酵臭・発酵物など。
ワインやビールなどのアルコール、熟れ過ぎたフルーツや野菜、味噌やヌカ床、酢、みりん、醤油などの発酵調味料、生ゴミが好物です。
よく発生する場所が台所なら、ショウジョウバエの可能性があります。
チョウバエ
体長1.5mm~3mm程度で、体色は灰色で体の表面に毛のようなものが生えています。
暗くてジメジメと湿っていて、ヘドロなどの汚物が溜まっている場所がお気に入り。
洗面所や風呂場などの排水管の奥などに産卵し、蛹までの約2週間程度を過ごすと、成虫となって外に出て来ます。
家の中ばかりではなく、近隣の下水などで発生して、風で運ばれてくることもあるんですよ。
家でよく見るチョウバエには、オオチョウバエ、ホシチョウバエの2種類が問題になることが多いです。
肉眼での見た目はさほど変わらないのですが、違いはというと、
オオチョウバエ→一生涯での産卵数は約250個で、活動期間は5月~10月
ホシチョウバエ→一生涯での産卵数は約100個で、活動期間は4月~12月
という感じ。
一年のほぼ大半活動しているというのが恐ろしいところで・・・ほっておくとシーズン中大量にチョウバエが発生することになってしまいます。
成虫は、夜活動するので、昼間は洗面所や浴室の壁などにとまっていることが多いです。
浴室や洗面所などの水周りによく出没するなら、チョウバエの可能性がありますね。
クロバネキノコバエ
時々、日本各地で大量発生することが話題になるクロバネキノコバエ。
体長2~4mm程度で、体色は黒。
雨がたくさん降った次の日の午前中などにわらわらと大量発生することがあります。
湿り気が多く有機物などの栄養分が豊富な場所が好みで、腐葉土や朽木、植木鉢やプランターの中に産卵することが多いです。
卵から成虫まで約3週間、成虫になって4日~10日ほど活動します。
発生源や活動内容など、まだまだ謎が多いクロバネキノコバエ。
発生後、数時間で死んでしまうので、フローリングに大量の黒い粒粒が残っているという惨状になることもしばしば。
数珠状に連なった卵を60個~80個程産みます。
活動期間中、家の中への侵入が始まると、窓を閉めていても毎日のように大量に侵入されるケースもあるのですが、行動理由は謎なんです。
窓際やサッシの中、窓近くのフローリングに大量の死骸がある場合は、クロバネキノコバエの可能性があります。
ノミバエ
体長2mm程度、体色は褐色。
ノミバエが好む範囲は広くて、生ゴミ、排水管の汚れ、腐った植物、家の中に侵入した動物(ハクビシンなど)の糞や死骸、風呂場、トイレなどなど、ここまで紹介したコバエの発生場所を網羅している感じです。
ノミバエはショウジョウバエと違って、腐っていない調理済みの料理にも寄ってくるし、卵を産みつけることもあるんです。
卵付きの食べ物をうっかり人間が食べると・・・お腹の中で孵化すると、幼虫が腸内の粘膜を刺激して下痢や腹痛をおこす(ハエ症といいます
こともあるんです。
便と一緒に幼虫が排出されてしまえば問題ないんですけれどね。
卵から孵化するのにたった1日で、幼虫になるまで10日ほどなので、産卵サイクルは早いです。
成虫としての寿命は10日程度。
1回で産む卵は30~50個と多くはないけれど、成長サイクルが早いから、どんどん増加します。
様々な場所に出没するので、他のコバエと見分けづらい場合もありますが、ノミのような脚力を持っていて、動きが素早いのが一つの特徴ですよ。
ニセケバエ
体長1~3mm程度、体色は黒で太い触角をもっているのが特徴。
腐葉植物や生ごみから、よく発生するのですが、いろんな場所から発生するため、発生源の特定は難しいです。
小動物の糞、死骸、腐った植物、生ゴミ、堆肥などを好みます。
屋外からの侵入もよくあるので、家の外に生ごみを置きっぱなしにしたり、屋内に肥料たっぷりの植木鉢を置いておくと、家の中に発生することがあります。
卵から成虫になるまで約3週間程度、成虫になると3日ほどで寿命は付きますが、産卵数200~300とけっこう卵の数が多いので、やっぱり大量発生の可能性があります。
黒っぽくて羽に光沢があるコバエなら、ニセケバエの可能性があります。
コバエの生態サイクルや産卵の数を見てみると、あっという間に大量発生する原因がわかりますよね。
コバエの原因と対策は種類別に違う
コバエの種類別に特徴や生態、好む場所などについてお話しました。
コバエだけど、それぞれ個性があるんですよね。
家の中に発生する原因が違うし、好むものも違うから、間違った対策をとると、まったく効き目なくて、どんどん発生する数が増えていく・・・なんてことにもなりかねないんです。
市販のコバエ対策グッズも、よく効くタイプとか説明書きされていることがあります。
まずは対策を考える前に、家の中に出現するコバエのタイプを特定しましょう。
ただし、クロバネキノコバエやニセケバエみたいに、発生原因や発生場所が特定されていおらず、駆除が対策がなくて、毎年頭を悩ましている人も大勢います。
コバエの種類別の対策
ショウジョウバエ
ショウジョウバエは腐敗した食べ物や熟れた果物、アルコール、発酵臭などが好きなので、主に台所によく発生します。
ゴミ箱は蓋付きにする
生ごみは臭いを出さない
食べ物を腐らせないようにしっかり管理する
果物を出しっぱなしにしない
アルコール類の飲み残しをそのまま放置しない
など、家の中に誘引するような臭いを出さないことが肝心です。
もしショウジョウバエが発生したら場合、市販のハエトリグッズの他、手作りでトラップを仕掛ける方法もあります。
チョウバエ
水廻りを好み、排水溝の奥のヘドロに卵を産みつけます。
チョウバエ用のスプレー材を噴射する方法があります。
表面だけの対策だけではなくて、定期的に市販の薬剤などを使って、排水溝の奥も清潔にするようにしましょう。
クロバネキノコバエ
クロバネキノコバエに関しては、はっきりした発生源がわかっていないため、なかなか駆除が難しいです。
家周りを清潔にして、腐葉土や朽木、草取り後の雑草の放置などはしないようにしましょう。
家の中の植木鉢の中や、昆虫飼育用の腐葉土の袋からも発生することがありますよ。
明け方から午前中いっぱいが発生のピークであることが多いので、
午前中は窓やドアを閉める
サッシや窓の隙間を埋める
などの対策もありますが、それでも侵入されてしまうことはあります。
家の中に発生すると、4時間程度で死ぬので、掃除の手間が大変です。
ノミバエ・ニセケバエ
水廻りや排水溝を清潔に保つ
植物を腐らせない
屋根裏などに小動物の糞や死骸が無いか確認
食べ物を出しっぱなしにしない
など、いろんな場所での対策が必要になります。
まとめ
コバエと一口にいっても、個性が違います。
コバエのタイプにあった対策と予防で、大量発生を防ぐようにしましょう。