出くわした蜘蛛が袋のようなものを抱えていたら、その袋の中には蜘蛛の卵が詰まっています。
そうなんです、これ実は卵じゃなくて、卵を包んでいる外側なんです。
袋の中には、一体どれくらいの卵が入っているか想像付きますか?
家の中で孵化されたら、と想像したら恐ろしいです。
蜘蛛が抱える卵の袋が孵化するまでの期間や、卵を駆除するときに気を付けるべき点についてお話しますね。
蜘蛛がもつ袋に卵がぎっしり
蜘蛛がお腹の下に抱えている袋状の白いものは、卵嚢(らんのう)といいます。
クモは一度に卵を産卵すると、クモの糸で卵をグルグル巻きにして、孵化するまで卵を守ります。
卵嚢を口に咥えて守る種類の蜘蛛もいるのですが、お腹に卵嚢を抱えている蜘蛛で有名なのはアシダカグモです。
アシダカグモは、円盤状の白い卵嚢をお腹の下に密接させて、牙と触肢で卵のうの端を掴んで固定させているんです。
卵が孵化するまで、この状態を保つというから、凄いですよね!
お腹が空かないのかな~、喉乾かないのかな~、と不思議に思うのですが、クモはもともと代謝が低くて、飢えには強いので、数カ月くらいなら何も口にせずとも、問題はないんですね。
卵は卵嚢の中でしか成長できません。
卵嚢がキズついたり壊れて、中の卵が出てしまうと、卵はダメになってしまいます。
アシダカグモにとって、卵嚢を抱えている時期は、気が気じゃないんだろうなと、その苦労を思わず察します。
肌身離さず、卵嚢を守っているアシダカグモは、見た目の大きさとは裏腹に、とっても臆病もので人間が怖いんです。
だから、ふいに驚いた瞬間に、卵嚢をうっかり落として逃げてしまうことがあります。
蜘蛛が卵を抱えるのはいつまで
アシダカグモの成体は、6月~8月頃に2回産卵をします。
卵嚢に入っている卵は300個程。
もっと少ない場合もあるし、多い場合もあります。
300個程の卵が孵化するまで、アシダカグモは卵嚢と共に生活してます。
そして、孵化する直前に、身体から離して、壁やカーテンの裏などに卵嚢をくっつけるんです。
やっと、アシダカグモの口も触肢も体全てが自由になるんですが、まだアシダカグモの仕事は終わりではないんです!
どっこいしょと降ろした卵嚢のそばで、中の卵が孵化するまで、そばで見守ります。
蜘蛛の卵が孵化したら
孵化した子グモ達は、1週間ほど卵嚢の中で生活し、その後卵嚢の外に出て、10日ほど卵嚢の近くで生活し(これを『まどい』と言います)、いよいよ子グモの自立の時を迎えます。
子グモ達の自立を見届けたら、アシダカグモは、やっと役目が終わったと安心してか?残された卵嚢をバリバリムシャムシャ食べて、数カ月にも渡る出産と子育ては終了です。
300個の卵が一斉に孵化したら、家の中が大変なことになるじゃないか!と思うかもしれませんが。
孵化した子グモのうち、産まれた場所で成体になれるのはほんの数匹。
大多数の子グモは、成長不足、共食い、他の生き物に捕食されて命を落としたり、エサを求めて他の場所に引越して行ったり。
300匹生まれたからといって、家の中が蜘蛛屋敷になることはないので、安心してくださいね。
まとめ
家の中がクモ屋敷にならないとしても、やっぱり家の中に大量の子グモ発生するのは遠慮したいですよね。
卵嚢をもった成体を捕まえる場合などは、卵嚢を壊さないようきをつけてくださいね。
蜘蛛が孵化する季節はいつ?卵の期間や何匹生まれるのか紹介