5月頃のG.W明け頃から、頻繁に見られるようになる、小さくて真っ赤な蜘蛛。
実はこの赤くて小さい虫はクモではなくて、タカラダニという種類のダニなんです!
真っ赤で不気味なタカラグモについて、お話しますね。
赤い蜘蛛の小さいのがベランダに出たら
小さい赤い蜘蛛の正体
春から初夏の時期に、よく見られる小さくて赤い蜘蛛の正体は、タカラダニ。
タカラダニは、名前の通りダニの一種。
タカラダニにも種類があるんですけれど、人家のベランダや門扉、コンクリートの壁などに大量発生する赤くて小さいタカラダニは、
ダニ目前気門亜目タカラダニ科アナタカラダニ属カベアナタカラダニという種類になります。
カベアナタカラダニの『カベアナ』から、壁穴に住んでいるのかな、なんて思うかもしれませんが。。。
カベアナタカラダニの成虫は、目の後ろにウルヌラという特殊な穴を持つアナタカラダニ属の特徴が由来となっています。
危害が加えられそうになると、ウルヌラから警戒フェロモンや防御フェロモンを含む赤い液を噴出。
それから、自分の体の表面の乾燥を防ぐこともあります。
『タカラダニ』なんて、なんだかご利益がありそうな感じですが。。。
カベアナタカラダニは、昆虫の体の表面に寄生して、その昆虫の体液を吸って生きているんですね。
その寄生された姿が、まるで真っ赤なお宝を身につけたように見えることから、タカラダニという名前がついたんです。
カベアナタカラダニの存在はご利益はなく、不快害虫という扱いになっています。
タカラダニの発生時期
タカラダニが多く目撃されるようになるのは、5月下旬で、見た目の気持ち悪さから、市役所や保健所などへの苦情や相談も増えるんですけれどね。
実は、カベアナタカラダニは3月に卵から孵化して、既に活動しているんですよ!
4月に若虫に成長するのですが、0.5mm程度ととても小さいため、肉眼では見えにくい・・・。
肉眼で見える成虫になるのが、5月なんです。
それで、5月になると、カベアナタカラダニが急に発生したように見えるんですね。
エサ
コケや花粉、小さい昆虫などを食べる雑食性です。
ベランダに花を植えたプランターなどを置いておくと、タカラダニのお食事場所になることもあります。
カベアナタカラダニの害
カベアナタカラダニは、不快害虫ではあるけれど、いまのところ、日本国内で特に人間に害を及ぼしていません。
基本的に人間を咬んだり、刺したりすることはないのですが、カベアナタカラダニを手で払いのけた時に、口の部分があたり、刺されたと感じる場合はあります。
そういう偶発的に口の部分が刺さってしまったということはあります。
害はないとはいえ、ベランダにカベアナタカラダニが発生すると、洗濯物にもくっついたりするので、やはり気持ち悪いですよね。
うっかり潰すと、洗濯物に赤い体液が付着してしまうので、潰さないように気を付けてくださいね。
産卵
カベアナタカラダニは、オスの存在はなく、雌が自分一人で卵を産んで死ぬので、放っておいても7月以降は姿を見なくなります。
カベアナタカラダニ一匹につき、10個~30個程度の卵を産みます。
全部が雌なわけですから、ベランダにいるタカラダニ全部が卵を産むわけで・・・大量発生している場合、ちょっと恐ろしい数字になりますね・・・。
カベアナタカラダニが産卵に選ぶ場所は、アリや蜘蛛などの小さい虫も侵入しずらい狭い場所なので、卵はしっかり守られて、また来年の3月に孵化する恐れがあります。
蜘蛛で赤い小さいのは潰さないこと!
カベアナタカラダニを潰すと、真っ赤な体液が出ます。
この体液が付くと、シミとなって落ちないので気を付けてください。
また、生きたカベアナタカラダニに接触しても、問題はないのですが。。。
カベアナタカラダニを潰して、体液が24時間皮膚に接触すると、皮膚に発疹が出る可能性があります。
- なるべくカベアナタカラダニを潰さない
- 真っ赤な体液には注意する
この2点に気を付けてくださいね。
赤い蜘蛛の小さいのを駆除する必要は?
カベアナタカラダニを駆除する簡単な方法があります。
放水する
タカラダニは乾燥したところを好みます。
晴れて暖かい日は大量に発生するし、曇りの日は発生する数が減るという分かりやすい行動をします。
そして、雨の日はカベアナタカラダニの姿はあまり見られません。
なので、梅雨の時期になると、だんだん姿を見せなくなり、コンクリートの隙間に産卵して、そのまま死んでいくんです
→7月以降はカベアナタカラダニの姿を見なくなる
という構図ができあがるんですね。
水のある環境は、得意ではないようなので、ホースやシャワーで放水して駆除します。
殺虫剤
タカラダニ専用の殺虫剤はないのですが、一般的な殺虫剤でも、効果はあるので、家にある殺虫剤を試してみるといいですよ。
殺虫剤で退治した後ですが、絶対に素手で触らないようにしてくださいね。
潰れて体液が出てきたら、大変です。
退治した後も、潰さないように取り除くことが重要です。
駆除したとしても、既に産卵していたら、来年の3月に再び孵化する可能性があります。
できたら、遅くとも6月初め、梅雨に入る前には駆除をしないと、来年再び大量のカベアナタカラダニが発生するかもしれません。
卵は直径約0.2mm程度ととても小さいし、壁の隙間や割れ目に産みつけるため、肉眼で見つけるのは難しいんです。
防水材
お金や手間がかかりますが、カベアナタカラダニの忌避効果があるとされているのが、床面防水材。
カベアナタカラダニの発生を減らせる効果を、期待できるようです。
ただ、発生を止めたり、殺虫効果があるわけではないので、抑制効果を期待できる予防対策程度かなと思います。
まとめ
カベアナタカラダニをベランダに見つけたら、なるべく早く駆除すれば、来年春に、再び発生するのを防げる可能性を減らすことができます。
駆除するときには、潰さないように気を付けてくださいね。