数あるハエトリグモの中でも、家の中でよく見かけるアダンソンハエトリ。
今回はアダンソンハエトリの生態についてのお話です。
アダンソンハエトリの見分け方
まず、アダンソンハエトリの見た目ですが、オスとメスではっきりとした違いがあります!
オスの身体は色が黒くて、背中に白い毛でできた三日月型の模様があります。
雌の身体は茶褐色で、地味な感じ、全体的にボヤ~っとした見た目です。
個体にもよるけれど、雌の方が若干身体が大きくて、
- 雌・・・6~9mm
- 雄・・・5~7mm
ん~・・・微妙な差ですよね笑
雄は真っ黒なボディに、白い見た目が生えてカッコいいという人なんかもいます。
それから、ハエトリグモの特徴として、ぴょんぴょん跳ねます!
だから、捕まえて外に逃がそうと思っても、逃げられてしまうなんてことも。
ピョンピョン跳びはねて、小さい茶色い(黒い)蜘蛛は、アダンソンハエトリグモと覚えておきましょう~。
アダンソンハエトリの食事
名前の通り、ハエを獲って食べます。
他にも蟻や蚊、ゴキブリの幼体、ダニ、コオロギ、チャタテムシなど、アダンソンの身体の大きさで捕食できる、活きた虫を食べます。
ハエトリグモの特徴として、
- クモの巣を張らない
- 昼間に活動する
という特徴があります。
クモの巣を張らずにエサを捕まえる
ハエトリグモは徘徊型の蜘蛛なので、蜘蛛の巣を張らないんですね。
家の中を徘徊して、エサである虫を捕まえて食べているんです。
ハンターさながら、動くものには瞬時に反応するアダンソンハエトリ。
エサと分かれば飛びついて、喰らい付きます。
アダンソンハエトリの目の前で、壁にレーザーポインターを当てて動かすと、追いかけてきた、なんて実験もあったりするので、興味のある人はぜひ試してみてくださいね。
レーザーポインタなんてないよ、という人はマウスポインタでもイケるかも!?
ちなみに、蜘蛛の巣は貼らないアダンソンハエトリですが、お尻からは常に糸を出しています。
これ、しおり糸という名前で、命綱の役目も兼ねているんです。
昼間にエサを獲る
ハエトリグモは人間と一緒で、主に昼間に活動します。
だから、どうしても姿が目に入ります笑
クモの多くは、タペータムという反射板を目に備えています。
タペータムで弱い光も集めることで、夜の活動も可能になるんですね。
ハエトリグモは、タペータムがないので、明るい昼間に活動します・・・というか、昼間活動するから、タペータムが要らないのか・・・・
アダンソンハエトリの生態
アダンソンハエトリは暖かいところが好みで、日本では本州以南から南西諸島までの地域で見られるのですが、近年、本州以北にも進出しています。
海外でも、熱帯域でよく見られます。
アダンソンハエトリに限らず蜘蛛は害虫を食べてくれる益虫として知られていますが、海外でも、アダンソンハエトリは、稲作に被害を及ぼす害虫を食べてくれると期待されているんだとか。
アダンソンハエトリって、カッコいい名前ですよね。
この名前の由来ですが、フランス人のミシェル・アダンソンさんという方からとった名前です。
ミシェル・アダンソンさんの名前は、他にもアダンソンハコヨコクビガメという亀に使われています。
アダンソンハエトリは、人間に影響を与える毒は持っていないし、噛むこともないです。
慣れると人なつっこい性格でもあり、小さくて、ピョンピョン跳ねる姿が可愛いと、ペットとして飼う人もいるくらいです。
家に住みつく害虫を食べてくれる益虫として、ほっといても大丈夫なのですが(私も見つけても放置してます)、気になるのは産卵。
アダンソンハエトリは、1回の産卵で10~30個程度の卵を産みます。
げっ!30個?と思うかもしれませんが、多いと1000個以上産卵するクモもいるので、まあ数は少ないです。
だいたい5月~6月に産卵して、2週間ほどで孵化します。
アダンソンハエトリの赤ちゃんは、2mm位でとっても小さいです。
- 蜘蛛は肉食のため、共食いもします。
- それから、成長過程で死んでしまうものもいます。
- そして、ある程度大きくなると、エサを求めて旅立っていきます。
なので、孵化した赤ちゃん蜘蛛が全員大きくなって、同じ家の中に住みつくということはないです。
よっぽど大きな家で、エサが豊富な場合はべつですが・・・。
バルーニングといって、お尻から糸を出し、風に乗って新しい住処へと旅立っていきます。
まとめ
アダンソンハエトリは、家の害虫を食べてくれるけれど、人間に悪さをすることはないです。
もしどうしても苦手・・・というわけではないなら、共存するという方法もありかななんて思います。