端午の節句がちがづいてくると、スーパーやお花屋さんで、菖蒲の葉をよくみかけます。
もちろん、お節句にちなんで『勝負』『尚武』などの言葉にひっかけて、子供の成長を願ったり、厄払いの意味があるのですが。
実は菖蒲湯に入ることは、身体へのメリットもたくさんあるんですよ。
菖蒲湯の効能
まず、菖蒲湯に使う菖蒲は、匂い菖蒲という種類です。
きれいな花がさく、花菖蒲の葉には香りがないんですね。
これからお話する菖蒲は、ニオイ菖蒲のことになります。
葉と根
薬湯として効果がある精油成分が多く含まれているのは、菖蒲の根の部分になります。
菖蒲の葉は、主に香りを楽みます。
お店で売っている菖蒲セットの中には、根がついてない、長い葉だけのものも多いです。
もし購入したものが葉だけの場合でも、葉の付け根に精油成分はあるので、充分に菖蒲湯を楽しめます。
菖蒲の葉と香りで、季節のお風呂を楽しんじゃいましょう。
葉の効果
葉には薬効成分はあまり含まれていないので、香りを楽しむことになります。
菖蒲の香りを感じながら、温かいお風呂にゆっくり浸かっていると、日頃の疲れもどこへやら。
独特だけど爽やかな菖蒲の香りはアロマテラピー効果でリラックスできますよ。
根の効果
菖蒲の根には、アサロンやオイゲノールという精油成分が含まれているんです。
- アサロンは鎮静
- オイゲノールは鎮静、消毒、殺菌
といった作用がありますよ。
アサロンとオイゲノールによって、期待できる効果は
- 腰痛
- 神経痛
- 血行促進
- 保湿効果
- 冷え症
- 筋肉痛
- 肩こり
などの症状を和らげる効果があるんですよ。
特に女性の方なんて、当てはまる症状、多いのではないでしょうか。
今、これを書いている私、全て当てはまっています。
筋肉痛は先日、久々に家族で行ったボーリングのためです^_^;
もちろん菖蒲の根の部分に、薬効成分は多く含まれているのですが、葉の付け根にも成分は含まれているそうです。
もし購入した菖蒲に根が付いていなくても、がっかりしないでくださいね。
葉の付け根から、少しでもたくさん成分が出ることを期待しましょう。
ちなみに、菖蒲の根は漢方で「万病を癒す」と言われるほど薬効成分が高いそうなんです。
万病を癒す・・・だんだん菖蒲湯に入りたくなってきませんか?
菖蒲湯の香りと効能を堪能できる準備方法について、お話しますね。
菖蒲湯の効果が出る沸かし方
菖蒲湯は菖蒲やお湯の入れ方で、効果は変わってきます。
湧いたお湯に菖蒲を入れる
これは止めた方がいいです。
せっかくの菖蒲の効果が得られず、菖蒲湯に浸かったという雰囲気だけ楽しむ形になってしまいます。
長い形のまま使う
菖蒲を長い葉のまま使う場合は、
- 菖蒲の葉をよくこすったり、揉みこむ
- 菖蒲の葉をゴムや紐などで束にまとめる
- 浴槽に入れる
- お湯を張る
準備はとっても簡単ですよね。
菖蒲の葉をこすったり、揉みこむのは、香りが増すからなんです。
菖蒲の葉を束ねる前に、よーくこすったり、揉みこんだりして、香りアップめざしましょう。
菖蒲の葉を束ねるのは、バラバラだとお風呂に入りにくいから。
菖蒲の葉ってピンとまっすぐで、身体に触れるとツンツン痛いんですよね。
それと、もうひとつ。
後始末が楽だから(^-^)
バラバラだと1枚1枚広い集めるのが大変だけれど、束ねてあれば、ひょいっと掬って、おしまいです。
4つ目の行程『お湯を張る』は、浴槽のタイプによって若干やり方が変わります。
一番、効果を期待できる方法は、水から沸かすことなんだそうです。
沸かすタイプのお風呂なら、浴槽に水を張って沸かせるんですけれどね。
我が家のお風呂は、給湯式なんです。
給湯式の場合なら、42~43℃とちょい熱めで給湯することで、効能を高めることができます。
が、どうせなら一番効能がある方法を試したいな~と思い・・・
浴槽にシャワーで水を張り、自動ボタンをピッ!と押せば、水から沸かす菖蒲湯ができました!
もしかしたら、光熱費やエネルギー的に効率が悪いやり方かもしれませんが(>_<)
年に一度の菖蒲湯。
効能優先で試してみました^_^;
うちの自動給湯機器は60度までのお湯が出せるので、香りを重視したいなら、60度でお風呂を沸かすこともできるのですが・・・
もしも高温で沸かしたのをうっかり忘れて、家族が火傷をする可能性を考えると、怖くてできなかったんです。
高温でなくても、通常より高めの温度設定で給湯する場合は、適温まで下がっているか必ず確認してくださいね!
もし、葉の根本がピンク色になっていたらラッキーです。
特に強く香る部分でもあるのでカットしないで使ってくださいね。
菖蒲の葉を細かくして使う
菖蒲の葉を細かく切って使うと、効果アップが期待できるんですよ。
一手間かかりますが、方法は簡単です。
- 菖蒲の葉と根を細かく切る
- ガーゼやタオルで包んで口をしっかり綴じる
- 洗面器に②を入れて、熱湯を注ぎ、10分程待つ
- お湯を張った浴槽に③を全て入れます
ね、簡単です。
気を付けて欲しいのは、細かく刻んだ菖蒲の根と葉をしっかり包むこと。
袋に入れる
ガーゼや綿の巾着があると、袋の中に刻んだ菖蒲の葉と根を入れて口を閉じるだけで楽ちんです。
タオルやガーゼで包む
タオルやガーゼに包む場合は、浴槽の中で、タオルが広がらないように、しっかり口を閉じてくださいね。
細かくなった菖蒲の葉や根が浴槽内に散らばると、後始末がとても面倒です。
浴槽のタイプによっては、詰まるおそれもあるので、散らばらないよう気をつけてください。
タオルを使う場合は、こんな感じになります。(ほうれん草で代用してます)
▼タオルに刻んだ菖蒲の葉と根を乗せて
▼余った部分をまとめて輪ゴムで閉じる
または・・・
▼タオルに乗せた菖蒲の根と葉をくるくると細長く包み込んで
▼二つに下り
▼タオルの先を中に織り込んで輪ゴムで閉じる
輪ゴムは5本使っています。
1本だけだと、輪ゴムが切れた場合に、浴槽内に菖蒲の根と葉が散らばってしまいます。
2本以上の輪ゴムなら、頑丈になるし、万が一1本が切れても、他の輪ゴムがカバーしてくれます。
とにかく菖蒲の葉と根が漏れないように、しっかりとじましょう。
だしパックでくるむ
便利なのが、100均でも買えるだしパック。
刻んだ菖蒲を小分けにして入れる手間があるけれど、使い終わったあとは、そのままゴミ箱にポイッと捨てられるので便利ですよ。
タオルの例で使ったのと同じ分量だと、だしパック5個分の小分けになりました。
使った後の後始末や洗濯の手間を考えると、だしパック使い勝手いいですよ。
ただし、長時間、お湯に漬けたままだと、破れやすくなる可能性がありますので気を付けてくださいね。
菖蒲が近くで売っていないなど、手に入りにく場合もありますよね。
実は、菖蒲の苗をネットで買うことができるんですよ。
苗から育てれば、葉だけでなく根も使えるから、菖蒲の薬湯効果をじっくり体感できますよ。
自家製の菖蒲湯、なんだかすてきじゃないですか(^-^)
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▼複数鉢買えば、何回も楽しめそうです。
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また、菖蒲の効能を楽しめる薬湯の元も販売されていますよ。
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とくに薬効成分が豊富な根が欲しい場合は、漢方を扱うお店に行くと、漢方薬として菖蒲の根が取り扱われていたりすることもありますよ。
菖蒲湯の入り方で頭に巻く意味とは
菖蒲の葉を頭に巻くといいって聞いたことありませんか?
- 菖蒲に含まれている精油の効果によるもの
- 菖蒲の厄除け効果によるもの
この2つの理由を聞いたことがあります。
菖蒲の葉を直接肌に触れると、精油効果で血液の循環が更に活発になり、頭やお腹に巻くことで、脳や胃腸が活発になることが期待できます。
それから、端午の節句の子供の成長を願って、『頭がよくなるように』『身体が丈夫になるように』との願いもこめられているようです。
菖蒲の精油効果を高めるためにも、浴槽に浮かんでいる菖蒲の葉を使ってくださいね。
端午の節句といえば、子供の行事ですが、菖蒲湯に浸かった赤ちゃんの肌に発疹が出たなんて話も、いくつか聞いたことがあります。
幸いうちの子たちに、発疹やボツボツの症状をみたことはないので、聞いてびっくりしたのですが。
菖蒲の精油成分、赤ちゃんの肌には効果が強いのかもしれません。
赤ちゃんや子供、大人でも肌の弱い方は、菖蒲湯を肌の一部にかけて影響がないか、一度お試ししてみると、安心して入浴できると思いますよ。
まとめ
私の家の近くにある日帰り入浴施設では、端午の節句の時期には、薬湯として菖蒲湯に入ることができます。
自宅での菖蒲湯が難しいという方は、お近くの入浴施設をチェックすると、いいかもしれません。
日本の天然ハーブである菖蒲の湯の効果、楽しんでくださいね。
日本には菖蒲湯以外にも、季節の薬湯があるんですよ。
もし興味をもたれたら、自分のお好みの薬湯みつけてみるのも楽しいかも。
最後まで読んで頂き、有難うございました。